March 22, 2008

平成19年度(第61回)卒業式祝辞

卒業式祝辞

保護者の皆様、校長先生はじめ教職員の皆様、ご来賓の皆様、おはようございます。
そして、卒業生のみんな、おはよう!
みんな!今日が本当に最後の最後ですね。
入学式のあの日、まるで狂言の舞台を歩くように
だぶだぶのズボンを引きずりながら登校してきた男子も、
まるでパジャマのようにぶかぶかの上着を羽織って登校してきた女子も、
いつの間にか大きく成長し、今ここにその頼もしい雄姿を見せてくれています。
どうですか、「本気」の木は大きく育ちましたか?
白いノートには自分なりの厚みのある「絵」は描けましたか? 
この五中に通い、そして学んでよかったですか?
過ぎてしまった3年間、もう一度早回しで巻き戻し、
スローモーションで振り返りたい場面がいっぱいあるのではないでしょうか。
ビデオもDVDも何もなかった昔は、
記憶として焼き付けておくしかなかった動く思い出も、
今ではいくらでも機械が残してくれます。
しかし、それも所詮は外から取られた、ただの記録でしかありません。
本当の記憶や想い出と呼べる大切なかけがえの無いものは、
自分の心の中にしか残すことはできなかったはずです。
それをこれからも大事にしてほしいと思います。
君たち自身はあまり成長したという実感が無いかもしれませんが、
友だちの幼かった顔やかわいいしぐさのひとつひとつまでも、
私たち大人ははっきりと頭にやきつけているのです。
だからこそ今日この日に感動を覚えるのです。
みんなも久しぶりに、自分がこの五中に入学したときの写真や映像を見てください。
そうすれば自分が大きく変身したんだなあ、ということを実感できると思います。
今日ここには、これまで君たちを見守ってくださった大勢の地域の皆様が
お祝いに駆けつけてくれています。
君たちの門出を心から喜んでくれているのは家族だけではないということを改めて知ってほしいと思うのです。
ここから見ていると、君たちの後ろに座っている後輩たち、家族のみなさん、
そして両翼で見守ってくれている先生方やご来賓の皆様、
みんなまるで、何かのスポーツ選手が競技を開始するまでの短い待ち時間も
最後まで最高のコンディションでいてほしいと願うサポーターやトレーナーのように、
なんともいえない、心穏やかにしてくれるオーラを発しながら、
いつかは懐かしい場所となるこの体育館といっしょに、
これから旅立つ君たちを温かく包み込んでくれています。
この荘厳な雰囲気と夢のような場面を、しっかりとその記憶にとどめ、
これからの人生においても常に忘れないでほしいのです。
きっと苦難のときには、その記憶が助けてくれます。
今この場所で君たちを包み込んでくれている方々の精気が体に蘇るはずです。
厳しい冬に降り積もった雪も、季節の移ろいによりいつかは消えてしまいます。
いつまでも過去の哀愁に浸ってはいられない。
優しさに甘えてもいられません。
けれども、冬の寒さを知っているからこそ、夏の暑さを覚えているからこそ、
その時その時を耐えられる、ということもあります。
これまで中学校生活で得た、悲しみ、喜び、憎しみ、怒り、
そして楽しいと感じられるそのひとりひとりが持っている素晴らしい感性を、
これからも大事にしてほしいと思うのです。
いっぱい泣いたよね!笑ったよね!すねたよね!怒ったよね!うらんだよね!
けれども全部無駄ではなかったということが、これからわかります。
実感できます。必ず活かされるのです。
1億秒足らずのこの3年間で、みんなは確かに大きく成長しました。
そしてなによりもその君たちのおかげで、
私たち大人自身も少しは成長させてもらったことが感動なのです。
「子どもに親にしてもらう」
とよく言いますが、本当にそう思うのです。
育っているのは君たちだけではありません。
君たちは周りも巻き込んで大きくなっていけばいいのです。
遠慮することはありません。
大人になるまでの特権は、これから自分色に染まれることです。
自分色を選んだり塗り替えたりするために、
周りからどんどん知識や経験値を吸収すればいいのです。
先人や祖先、つまりは自分よりも早くこの世に生まれてきた人たちを敬ったり、
大切にしなければいけないという意味は、先輩たちが、初めての試みや経験を、
勇気や好奇心を持ってやり遂げてくれたおかげで、
自分たちはその努力の成果をもとに新たなことに挑戦できるから!
ということではないでしょうか。
「有り難い」という言葉の意味を自分なりに考えてみてほしいと思います。
どうか君たちも、後輩やこれから生まれてくる赤ちゃんたちのためにも、
自分色を探して一生懸命人生を生ききってほしいと思います。
君たちは今、義務教育の9年間を終え、限りなく社会人に近づきます。
責任や義務も増します。周りへの配慮も必要となるでしょう。
いままでは想像もできなかったような嫌なこともあるでしょう。
けれども、その反対に、これまでに無い大きな喜びや幸せな気持ちにもなれるはずです。
それが大人になっていくということかもしれません。
これまで、君たちからみた家族はどのようなものでしたか?
ある意味絶対的な逆らえない存在ではなかったでしょうか。
もちろんこれからも同じでしょうが、
ちょっと違ってくるのは、もっと大切にしなければいけない、という
家族に対する思いやりの心が強くなってくるということです。
それだけ君たちが成長するということです。
いや、そうならなければいけないと思うのです。
どうかみんな、これからも元気で、そしてその笑顔を忘れないでください。
この3年間、私たち大人に夢や希望を与えてくれ、
そして元気ややる気を起こさせてくれてありがとう!
これからもどうぞよろしくお願いします。
最後になりましたが、保護者の皆様、お互い様ではありますが、
この3年間本当にお疲れ様でした。
子どもの前ではずっと笑顔でいられましたか?
ご一緒に、この日を心の底から祝いたいと思います。
お子様の中学ご卒業おめでとうございます。
そして、本日ご列席いただきましたご来賓の皆様、それぞれのお立場で、
これまで愛すべき子どもたちを守り育ててくださって本当にありがとうございます。
今日、子どもたちは、この地域の学校五中を巣立っていきますが、
これからは地域の子どもから地域を代表する大人、人間となり、
この地域に関わってくれると思いますので、
引き続き子どもたちを叱咤激励していただけますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。
また、校長先生をはじめ教職員の皆様、3年間という限られた時間の中で、
子どもたちを辛抱強く導き、高めてくださいましたことに、
心より感謝申し上げる次第です。本当にありがとうございました。
名残惜しい中学生活ではありますが、これからはお立場をかえ、
立ち止まることを知らない子どもたちに、引き続き気をお留めいただければ幸いです。
さあ、みんな、中学校卒業本当におめでとう!
みんなには、9千460万8千秒前の入学式のときに贈った言葉を
最後にもう一度読み上げて、門出のエールとします。
心して聞くように!

一、目標を持て
一、信頼を裏切るな
一、社会の一員となった自覚を持て
一、他人を一旦受け入れろ
一、甘えるな
一、自分を偽るな
一、真の優しさを持て
一、行動を急ぐな
一、言葉や会話を大事にしろ
一、自由主義とわがままは違う

「時不再来(とき ふたたび きたらず)」
旅立ち(別れ)の時間が近づきました。
さあ、自分の心のノートに最後に涙色を塗ってください。
みんなのちょっと懐かしい、幼い頃の名残のある元気な顔をもう一度見渡して、
PTA会長からの最後のメッセージを終わりとします。
みんな、さようなら!
そして元気で!

平成20年3月19日
中野区立第五中学校 PTA会長 尺長正紀

投稿者 nakano5th : March 22, 2008 06:34 PM
コメント
コメントする









名前、アドレスを登録しますか?